街にでっかい穴があることから穴街と呼ばれる町。住人たちの喧嘩したり笑ったりちょっとガサツだけど明るく楽しくどこかまったりとした日常を描いたコメディ。
舞台となる街に大きな穴があるその街は工場が連立する土地柄ゆえやくざさんとかちょっと裏街道な人が多く住むという。しかし殺伐とした雰囲気は少なくどちらかというと下町情緒あるふふ街といった感じ。
うーん、どう説明したらいいんだろ。漁業とかの市場みたいにけたたましく、もたもたしてたら怒涛が飛ぶような雰囲気だけど活気があって裏社会の陰気なイメージがないというか。
主人公の少女は離れて暮らした母親を尋ね街にやってきたがなぜか母親の消息を知りたい人たちに追い掛け回される。腕に自信のある少女はなぎ倒すがそこに現れたおっとり茫洋とした男性医師に一目ぼれ。なし崩しに街に住み着くことになる。
はじめの伏線はとりあえず置いておいて主人公の少女と医師と医師の同居人の少年そのた街の面々の日常生活を描いたエピソードを進めていく模様。
これ、というテーマがあるんだかないんだか明確ではないですがとにかくテンポがいいんですよね。どのキャラも生き生きしているし、読んでて楽しい。ほんとに。現実的でない浮世離れした狭い世界設定はある意味童話のようでもあり。
見た目はかわいいのに粗暴で口より手が出るタイプの主人公が昼行灯、でも潜在能力は高そうな医師を追い掛け回し、妙に達観でも古きよき勝気な男の子を彷彿とさせる性格の少年がフォローするという図式がツボでした。
ゆるっとしたでもなんとなくお祭りのような活気のある不思議な雰囲気。著者のセンスが光るってやつでしょうか。
ハラカズヒロ
アクションコミックスコミックシード1巻 / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
コミックス未収録分が同人誌で出たようなので商業誌ではもう読めないのかな・・?