人と人との縁を赤い糸として見えるチコはその能力を活かし学校内で占いまがいの商売をしていた。そんな中、縁をあやつる陰陽師集団の「結び屋」の面々と出会いなりゆきで彼らと行動を共にすることになる。
主人公は家庭の事情から自立を強く希望しその資金のために商売をしていたのですが、その屋号が結び屋だったため陰陽師集団の一人にクレームをつけられたことから話が始まります。けっきょく主人公の能力はその陰陽師集団と同じ能力であり、ある事件から肉体が幼児後退してしまいその集団の世話になることになるという展開。
集団の中には主人公が尊敬する人物もおり、通常の日常生活にも支障があるということでそうなったのですが、どうも主人公が嫌っている家族もなにかしら絡んでいる様子。
結び屋というのは文字通り縁を結ぶ仕事ですが主人公は強引にそれを引き寄せるようなやり方（というか性格）なので結びというより縛りという・・・。この強引さが良い（笑）
なかなか複雑な設定なのですが、情報をきちんと整理し、無駄のない配置で読者にすんなりとその内容を把握させる構成はさすが。
登場人物の豊かな個性、主人公の気概と苦悩の描写の鮮明さ、人間関係の伏線となかなかに読み応えのあるタイトル。絵柄も少女漫画っぽいのに男前なペンタッチで読みやすいです。
竹内未来
プリンセスコミックス全８巻 / 秋田書店
ジャンル：少女・陰陽アクション / 好み度：★★★★☆