柔術を嗜む中学生・正義は、ある日チンピラからホームレスを助ける。ホームレスに礼として受け取ったのは不可思議な紋様のついた石版。それを握り締めると正義の手に石版の紋様が刻まれた。
その紋様は宿すものに特殊な能力をあたえる古代兵器「呪紋」だった。主人公と最初に出会った少女が「呪紋」の特質を説明し、主人公は彼女が所属する米国の呪紋回収に協力することになるという展開で始まります。
主人公が呪紋をめぐる陰謀や争いに巻き込まれるという流れのよう。主人公が協力する側が善というわけでもなさそうで、複雑というか単に勢力争いのような構図なのかな。
元々それなりに腕に自信がある主人公が、上には上がいるという事実とか、望まず巨大な力を得て勝手が狂い苦悶するというエピソードもあり、大きなスケールのファンタジーアクションの中に主人公の成長物語も組み込まれている模様。
綺麗で描き慣れている印象を受ける絵柄。それゆえアクションシーンをはじめとする諸々のシーンは見ごたえがあります。見せたい!と思うシーンの効果はうまいなと。お約束を抑えており活気を感じられるキャラ設定も魅力かな。
呪紋の発動のプロセスの設定はけっこうツボだったのですが、ストーリーをもう一ひねりほしいかなあと思いました。わくわく感はあるのですが心情描写や展開のインパクトが今一歩というか。まあ定型な分、すんなり話に入れるとも言えますが。するっと読めるファンタジーアクションを堪能したい人向け。
真じろう
MFコミックスアライブシリーズ全13巻 / メディアファクトリー
ジャンル:少年・アクション / 好み度:★★★☆☆