曹操の２人の息子・曹丕と曹植の後継者争いを中心とした物語。・・多分（おい）。魏王朝直前あたりの話。
ちょい地味目な父と弟の才能の影に隠れがちな曹丕が主人公。曹丕は文学こそ社会を治める大事な要素とみなし、一方曹植は文才にあふれるが男子や政治に無用と考えるという、才能と希望が一致しない２人、もしくは他人の芝生は青く見える的構図。
重厚なシリアスではなく、今時な絵柄と軽快なノリで描かれる歴史もの。キャラ設定が練りこまれていてかつ親しみやすいところが特徴で、ストーリーもメディア展開しやすい構成だなという印象を受けました。
昨今よく見られる史実設定だけで中身は別物というわけではなく、史実と照らし合わせた内容なのでこのころの歴史を学ぶにも十分活用できる構成になっています。三国時代の戦争戦略ものが多い中、こういう卓越した内政ネタの話は貴重かもしれませぬ。
中島三千恒
MFコミックス１巻 / メディアファクトリー
ジャンル：歴史・青年 / 好み度：★★★☆☆