14世紀のアルプス地方。イタリアへと通じるザンクト・ゴットハルト峠に存在する非情で鉄壁の関所・通称狼の口を舞台にした戦いと殺戮を描いたヒューマンドラマ。
森林同盟三邦とハプスブルク家の対立が物語の肝のよう。正直このあたりの歴史はさっぱりで単語と状況はうっすらとわかる程度;抵抗する側と徹底的に抑圧する側があり、抑圧する側の関所には容赦がなく非情な番人がおり反抗分子は有無を言わせず殺害する。
関所を守る側とその関所を越えようとする抵抗勢力側の話なのかな。とにかく死人が多いというか圧倒的な力による容赦ない殺戮な展開の連続。理不尽な仕打ちは人によっては嫌悪感しかないと思いますがおそらく戦争下や内紛状態においては現代でも転がっている話なんだろうな。
物語としてはどうも視点が一定ではないというかとっちらかった印象を受けます。いまのところ1話完結のような形式をとっているためか1つのエピソードに違う主人公とか語り手らしき女性とかどのキャラを追っていけばいいのかわからないというか・・。うまく言えないんですが;
まあ全容が理解しづらいことを除けば読ませる内容なのは確かなタイトルかと。1巻の終わりで犠牲を払いつつも越えた人物が登場するので物語として面白くなっていくのかなと予想してみる。
久慈光久
ビームコミックス全8巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・中世・ドラマ / 好み度:★★★☆☆