戒音 dieとliveの脳内麻薬物質 由貴香織里

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2009年に文庫版として再編集された、表題作他5作品を収録した作品集。

「戒音 dieとliveの脳内麻薬物質」
兄とドライブ中に事故に遭い病院で目覚めた凌。彼の双子の兄であり、わずか1年でスターダムにのし上がったバンド「エンドルフィン」のボーカルの戒音の身代わりにさせられてしまう。そんな中、エンドルフィンのファンが連続して自殺するという事件が頻繁に発生する...。
あらすじ説明けっこういい加減です;すいません;サスペンスらしく最後にどんでん返しがある秀作。華々しくて悲しい雰囲気がこの作品の魅力でしょうか。事件の組み立てもしっかりしていてミステリーとしての完成度も高いと思います。

「夏服のエリー」
少女の魂は時を超え少年の体に入っていた。少年の両親と少女の恋の関係を描いた前世もの。恋した相手は親友の恋人になっていました。悔恨の思いを清算する話(でいいんだろうか)。

「WHEN A HEART BEATS」
外国(アメリカ?)を舞台にしたサスペンスもの。知らず殺人に巻き込まれた勝気な少女を主人公にした映画にありそうなアクションとかだましあいとかを描写した話。

「時計じかけのオレンジ爆弾」「TOKYO TOP」
ヴィジュアルなボーカルガイと曲担当の相方の巽、巽を慕う少女のスラップスティック恋愛コメディ。少女のキャラが好きだったなあ。
設定が同じの連作。著者は危険地帯と前置きするくらいの初期作品の一つで、現在とはまったく雰囲気が違う普通のラブコメなんですが勢いがあるというかキャラクターが活きているというか。
個人的には一番好きなんですよね。なんつってもこれで作者のファンになった思い出深い作品なもので。

「マジカル・ミステリー・ツアー」
ロサンゼルスの旅行に当選した少女に降りかかる出来事とは。アメリカを舞台にしたライトミステリー。

由貴香織里 / 白泉社文庫全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・カルト/好み度:★★★★☆