木曜日の放課後のみ存在する保健室では「夢」を見る授業を行う。夢の中で誰かの中にある鍵を見つけることで卒業できるという。体にある秘密を持つ真白は呼び出され保健室の授業をうけるが・・。
夢の中での生徒は本質を具現化した姿になり互いが誰かは判別できない。「卒業」してしまうと同級生の記憶から消えるという設定。
主人公は上半身は男、下半身は女という両性具有の体を持つ生徒。正直になれず理論というか理想論を語るタイプかな。なかなか殻が破れないみたいな。親しくなった男子生徒と女子生徒の間で揺れる心理描写が妙に印象に残りました。
登場人物の事情と心情がうずまきそれなりに解決をみせようとするあがきみたいなものに揺さぶられます。思春期の不安定な内面とその脱却を見事に描写したタイトル。やっぱ著者の話は読みごたえがあり。
実は当初、特殊な保健室の設定にちょっと混乱し何度も読み返してようやく理解した私。どんどんあほになってるのかねえ;
水城せとな
プリンセスコミックス全10巻/秋田文庫 / 秋田書店
ジャンル:少女 / 好み度:★★★★☆
2012年より文庫化。