赤い空 白い海 野中英次

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著者のカラー全開の、シュールやブラックな雰囲気の大人のオムニパスギャグ作品群。
著者節の効いたギャグオムニパス。数Pでオチをつける関連性のないギャグエピソードの集合という構成。まあシリーズ化しているネタもありますが。
強烈なインパクトのオチのもの、どこからこんな奇抜なことを思いつくのかという特殊な状況設定のもの、青年向けなちょいエロスなもの、ガンダムもの(笑)、普通スルーすることを突っ込んで語る系のものと実にさまざま。
1エピソードがとても短いので、面白いと思うものとそこそこと思うものと、エピソードによって温度差がありますがおおむね面白かったです。同じ設定で話をまわすギャグも面白いですがこういうスタイルは個人的に好みだったり。
一見平静な表情の登場人物が織り成すシュールだったりブラックだったり理論武装だったりする行動や言動がツボでした。
一巻でいちばん印象に残ったのは、世界が崩壊した世界、妻は崩壊の事実を知り夫はまだ知らない状況での夫婦の会話。しんみりいい話で落とすのかとちょっと意外でした。余談だけど荒野に一軒だけ無事ってのは超人ロックを思い出す。
あと、物事の基準をすべてガンダム尺度で定義する世相のシリーズも。主人公たちはその奇妙な状況に異を唱えるも少数派として受け入れられない。ガンダムの話をされついていけなかった記憶がよみがえる・・(笑)
アマゾネスのシリーズは何を狙っているのかちとわかりずらかったです。ひょっとしてエロ補填?にしてはマニアックすぎるような。
こういう形式のシュールギャグを見ると、昔、深夜番組のシュールコントを見たときの感覚を思い出す。家の中にいるのに異空間に吸い込まれるような心持ちになった幼いころ。

野中英次
アフタヌーンコミックス1巻 / 講談社
ジャンル:青年・ギャグ / 好み度:★★★★☆