最終戦争シリーズ 山田ミネコ

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作者のライフワークとも言うべき大河SFファンタジーシリーズ。最終戦争勃発後の未来を舞台に、主に女性の体に同化し、男性の精気を糧とする地球外生命体デーヴァダッタと人類との戦いがメインストーリーになっています。あと、サイドストーリーとして、シリーズ後半のメインキャラになる小角の若い頃の話をまとめたパトロールシリーズ、デーヴァダッタと普通の男性の恋物語のシリーズ、最終戦争によって地球に逃れた異星人と地球人の話のシリーズ(これは本編とほとんど接点がないものもあります)等があります。
とにかく緻密で美麗な絵に圧倒されます。物語も、作品、またはシリーズごとに主人公が違うため、いろんな視点で展開されているため面白いのです。設定とかはSFなのですが妖怪とか精霊とかファンタジーな要素があったり。個人的にツボなのは「シリーズ」なだけあって、一作一作はまったくジャンルが違う話でも全体ではつながっているところと、キャラクターが着ているオリエンタル調な服や装飾品のデザインでした。
人間の味方をするデーヴァダッタ、自分だけ生き残りたいためにデーヴァダッタに味方する人間、都市部の無気力化する人間、辺境の人々のたくましさとかを見ると現実社会でも問題になっていることが投影されているような気がします。
個人的には一番付き合いが長いシリーズですね。小学生のときからだもんなー......。ファンレター書いて返事もらったのも懐かしい思い出。いろんな出版社から発表されていた頃はネットもなければ情報誌も少なく、まさにまめに本屋にいって偶然見つけるしかなかったんですがそれが面白かったんですよね。

山田ミネコ
MF文庫/全16巻/メディアファクトリー
ジャンル:少女・SF・ファンタジー・大河 / 好み度:★★★★★