ごくごく庶民的な主人公の少女はあこがれのお嬢様学校に入学する。お嬢様学校を舞台にした青春の悩みや恋愛や人生模様を描いた物語。
穏やかな気風のお嬢様学校。あこがれの学校に入れた喜びをかみしめ、友人もできる主人公。しかし部活の選択というイベントで周囲がきちんと将来のビジョンを持っているのに対し、この学校に入るという目的が達成された今、自分にはなにもないことを認識してしまう。・・ってな感じで、思春期らしい純粋な悩みの話や、百合な恋心の話、教師への感情の推移、老教師の思い出などのエピソードなどが透明感のある雰囲気で綴られています。
作品に漂う優しい雰囲気の中に時には激しく時には静かに描かれる人物の壁をとっぱらった素直な心情の吐露とかが印象的。
主人公だけでなく主人公以外の登場人物の視点もしくはドラマも展開され、はっきりと章が分かれてはいないのですがちょっとオムニパス形式っぽい構成。
他作品に見られるような突っ込んだ女性心理の描写が薄いのは青年誌掲載ゆえか、それとも後々出てくるのか。まあ主人公たちが思春期の乙女たちの話だしな~。教師の視点の話もあるけど。
前作の連作でも感じましたがやっぱり女性心理はさらっと描かれている印象を受けます。個人的にはこちらのほうが読みやすいんですよね。恋愛オンチなもんで(汗)青年向け(萌え?)要素を著者が描くとこうも癒し系な話になるのかとちょっと感慨深い。男女問わず楽しめる内容だと思います。お勧め。
谷川史子
ヤングキングアワーズコミックス全4巻 / 少年画報社
ジャンル:青年・学園 / 好み度:★★★★★おすすめ