鎧光赫赫 久慈光久

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夢侍・戦国銃兵 孫一・ラピッドファイア・舞子の部屋・鎧光赫赫・千草峠の風・弾丸餓鬼・雷電突攻を収録した著者の短編集。かなり分厚いです。
狼の口の著者なのでシビアな話が多かろうと予測していましたがやはりという感じ。ほとんどが日本の戦国時代の話で、現代ものや森薫原作エマのアニメレポートもあります。短編ゆえ中途半端な終わりもありますが総じてキレのよい構成の話ばかりだったなという印象。
「夢侍」
侍になりたいと志というか夢ばかり口にしている農家の末息子。惚れた相手が兄の嫁になり、悶着あって戦場に。己の人生の理想のみを語り矜持だけは立派でも現実はへタレという主人公。最後は気概をみせたところで終わりだけどその先は読者自身で想像ということか。
「戦国銃兵 孫一」
主人公孫一と尼さんと女性の3人はある村に訪れた目的とは。少数で多数を鎮圧するシチュエーションはやっぱ痛快だなあ。何も持たないものが中立を望んでも結局どれかに取り込まれるがオチ。中立を望むなら自分たちだけしか持てないものがあるとか、立ち回れる人脈とかがないとね。
「雷電突攻」
天狗一族が外敵から人間を守る。しかし人間はそれを当然ととり逆に天狗を愚弄する風潮があるよう。どうしてこういう構図ができたのかいまいちわからずもやもや。天狗の姉妹が痛ましくせつない。
「弾丸餓鬼」
鉄砲使いの傭兵集団の女性タマガキの話。弓と銃の比較のエピソードは興味深かったです。忍との戦いは演出がうまいな。下劣なたとえを言う男に容赦ないタマガキが印象的でした。
「千草峠の風」
信長を銃による暗殺をやろうとした男の話。弾かれたのは南蛮鎧のせいか。弾いても衝撃はかなりのものだと思うけどなあ;男の末路が壮絶。
「舞子の部屋」
森薫原作のメイドアニメ「エマ」の応援レポート漫画。のっけに著者の年齢言うか;;とびっくりした;ネガティブなんだかポジティブなんだか。いろんな意味であまり見られないテンションのレポートでした。けっこう面白かった。
「ラピッドファイア」
過去の出来事から銃による力を得ようとする女性の話・・なのか?ラストの教官の言葉は人によってとらえかたが異なりそうだなあ。
「鎧光赫赫」
小柄な剣の武士と大柄な槍の武士の一騎打ち。小柄な武士はある目的を持ち槍の武士との戦いの備えに数年を要していた。そして実は・・。戦いと最後の落とし方がインパクトありました。

久慈光久
ビームコミックス全1巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・戦闘 / 好み度:★★★☆☆