妖と交流できた幻想作家の祖父を持つ少年・律と従姉の司・晶。彼らは亡き祖父の血を色濃く継ぎ祖父と同じ不可思議な力を有していた。父の体を借りた妖魔青嵐や使い魔の尾黒・尾白と共に生活する中で主人公たちが体験する妖がらみの奇妙な出来事を綴った物語。
主人公はごく普通の高校生ですが、祖父ゆずりの奇妙な能力ゆえか妖の関わる騒動に巻き込まれる羽目になることが多いという設定。平穏に過ごしたいのに周囲がそれを許さないというか。
幻想的でゆったりした雰囲気の作品。繊細で緻密な絵柄もその雰囲気をさらに後押ししているよう。
妖が出るオカルト系の話ですが、調伏や退魔といったバトルものではなく妖怪と人間の昔話みたいなノリです(現代の話ですが)。普通の日常の中にひょっこり現れる「非現実」的な出来事の描写感じ。
コメディなノリもありますが、死人が出たりひやりとする寒気が襲うような話もあり。見えるけど見えないふりをする、しないとだめという状況のシーンで特に薄ら寒いものを感じた私。このタイトルの主人公は人間ではなく妖怪なのか。
今市子
眠れぬ夜の奇妙な話コミックス1~ / 朝日新聞社
ソノラマ文庫1~ / 朝日新聞社
ジャンル:少女・オカルト / 好み度:★★★★★