こころとからだの関係を主軸にした恋愛模様を描いた短編集。つめたく、あまい。・幸か不幸か・眼鏡女の苦悶・Cheap Sweets・世界の果てで待ち合わせ・知ってゆくひと・ひみつのことば・往生際で逢いましょう・嵐が丘・あなたさえいなければ。・午後8時の攻防・少しばかり困っている。を収録。
著者節の聞いた恋愛作品集。収録タイトルが多いですが中篇もあれば2ページくらいの一発芸というか日常をさっくり切り取った話もあるからで。同人誌からの再録が多いからのよう。
著者のタイトルの感想は難しい。ひとえに私の語彙力の低さが原因ですが言葉で説明するのも野暮という印象を盛っていたりする。
感性が強いというか精神の本能的な部分を揺さぶられるんですよね。女性のずるさをはじめとする陰の面を表現していることは多々あるのに同族嫌悪のようなものは感じず愛おしさがこみ上げる不思議。不定形で不確かな、でもどこか静謐さも兼ね備えた雰囲気。
いちばん好きだったのは「あなたさえいなければ。」かなあ。好きと言うかなんとなく共感できるというか。恋愛ベタなもんで恋愛も割かし理詰めだったのですが恋愛は頭でやるもんでもないなあと目から鱗だったときを思い出す。ある意味理系女性らしい組み立てで恋人同士になるも感情は理詰めではないわけで。思春期も過ぎた主人公が自分の感情をもてあますというか感情に振り回されている自分を自覚できてないあたりが印象的でした。
シギサワカヤ / 白泉社全1巻
ジャンル:女性・恋愛・ドラマ / 好み度:★★★★☆