花梨が声優学校に入る資金を稼ぐため紹介されたバイト先の喫茶店は、従業員もお客も店も不思議で奇妙だった。
古き良き西洋ファンタジックな世界の住人たちやその神さまなどの騒動や、大神官と主人公のラブロマンス、主人公のオカルト能力者の友人たちなどが織り成すメルヘンファンタジー。
舞台となる喫茶店は、従業員も客も現世界に住む異世界人で占められており、危険なことも含めたワンダーランドのような不可思議現象もてんこもりという状態。そんな中、主人公が「真実の声」と言われる異世界の住人に絶対命令させられる特別な声を持つということが告げられる。ちなみに異世界人は向こうの大神官が作った人造動物園の動物たちで人間に化けているという設定。天使とか獣耳とかになってるけど。
なつかしいファンタジーというか、本物のハロウィンパーティのような雰囲気というか。おもちゃ箱をひっくり返したような騒動とか、メルヘンシリアスな恋模様とか、寓話のようなトントンと進む展開が特徴か。
以前から著者の作品を読んでいるクチなので、以前と変わらない温かみとロマンスとほっこり度が嬉しいわけで。最終戦争シリーズのデーヴァダッタの宴会を思い出すなあ。今だと返って新鮮な話のような気がしたり。
山田ミネコ
あさひコミックス2巻 / 朝日新聞社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★☆