幕末4コマ劇場 黒いぜよ!龍馬ちゃん くもぎり太郎

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コミカルな容姿と腹黒い内面を持った坂本龍馬をはじめとした幕末の志士たちを描いた4コマコメディ「黒いぜよ!龍馬ちゃん」と岡田以蔵を主人公にしたシリアス時代劇シリーズ3作を収録したコミックス。
「黒いぜよ!龍馬ちゃん」
主人公は坂本龍馬ですが、ドラマのような生真面目さわやか・熱い青年な龍馬ではないところが最大の特徴の4コマ漫画。黒目で一見愛嬌があり可愛らしい風貌ながら、表情が読めない顔でもあり、人の本質を異様に正確に見抜く目といろんな意味で直球な発言の黒さが見所。周囲の志士たちも実に個性豊かに描かれています。
とはいえ、名前を借りた嘘八百な設定はほとんど無く、エピソードやネタも史実に照らし合わせた内容です。史実を、ブラック風味な4コマ的コメディに練り直したといった構成と言ったほうがいいかな。龍馬の最強のお姉さんのキャラには思いっきり笑わせていただきました。
まあ龍馬ブームにのっかった形で発売されたと思うのは気のせいではないでしょう。しかし本当に面白かったです。どうも私は正統派のさわやか路線の龍馬よりこういう黒めな龍馬の本ばかり読んでいるなあ。基本的に龍馬に対する関心が薄いからだろうな;
「粉雪抄」
3部作からなる「人斬り以蔵」こと岡田以蔵を主人公にしたシリアスストーリー。かつてふぁんろーどで発表された話ということでかなり古い作品になる・・のかな?4コマシリーズとは全然違うペンタッチだし。
4コマとのギャップと以蔵をよく知らないということで個人的にとっつきにくかったのですが、じっくり読むとなかなかに深い内容でした。絵に稚拙さは感じるものの、人情とかやるせなさとか情愛といったドラマの描写が秀逸。

くもぎり太郎 / 実業之日本社全1巻
ジャンル:4コマ・シリアス・歴史 /好み度:★★★★☆