推理小説研究会に所属する大学生・マリア、アリス、江神。会の紅一点であるマリアの、数年前に他界した祖父はパズルマニアである島に宝の地図のパズルを解いた人物にダイヤモンドを相続させるという遺言状を残していた。
その宝探しには以前死者が出ており、結局現在も解かれていない状態だった。マリアはその謎を解き死んだ従兄に報告したいと望む。アリスたち3人はそのパズルを解くべく島に向かう。しかし今回もまたパズルをめぐって死者が出てしまう・・。
ミステリ(パズル)解明の部分だけに重点をおかず関係者の人間描写もなかなか見ごたえあり。主人公たちがあくまで解明者であり傍観者の立場でしかないためか生々しくない雰囲気が特徴か。明るい雰囲気を感じるのは主人公(アリス)のキャラクターのせいかもしれませんが。
著名な作家の原作らしくソツのない構成。パズル、ミステリ部分は緻密で計算されていて申し分なし。ただどうも物語自体が地味というかいい意味で正統派な内容で懐かしさも感じるタイトルでしたが、原作が1989年作と聞いてなんとなく納得。
未収録の短編や表紙の4コマ等おまけも充実。
原作:有栖川有栖 / 漫画:鈴木有布子
ブレイドコミックスアヴァルス全3巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★☆☆