頭脳明晰な骨董質屋の若旦那、無邪気な幼馴染と近所の癒し系高校生の3人が、出会った事件を解決していくという推理もの。タイトルの不機嫌な名探偵、というのは主人公が極端な人嫌いという設定だからということらしい。
主人公は身内に警察官がおり、その関係で捜査の手伝いをしたり偶然事件と遭遇したりという展開。
主人公が骨董質屋ということで、事件にはそれなりに価値のある物品がからむことがありますが、はじめのほうの事件くらいしかその設定が活用されていないような気もしたり。
キャラクターがきらびやかで女性受けするタイプで、3人の魅力的なキャラのかけあいが見所の1つかな。
かといってキャラ重視ではなく推理ものとしての骨格はしっかりしています。しかし情報量が多い割りにスピーディに事件が解決してしまうため、かなりあわただしい印象を受けます。読み手があれこれ推理する前にぱぱっと解決しちゃってるって感じ。
キャラのかけあいも楽しいし、事件自体も面白いからもうすこし1つの事件にページ数をかけてもいいんじゃないかと思ったり。なんかもったいないんですよね・・・。
あと犯人を問い詰めるシーンで、犯人が犯行を言い当てられたときの怒涛とか叫びの演出が似たような感じなのも個人的に気になりました。
あすかコミックスから2巻出た後続シリーズとして一迅社からdivision-0シリーズが発表された模様。時系列としてはdivision-0のほうが先なのかな。あすかのほうは絶版みたいですね。
渡辺瑞樹
不機嫌な名探偵-藍原質店の事件ファイル/あすかコミックDX全2巻 / 角川書店
不機嫌な名探偵division-0 / ゼロサムコミックス全5巻 / 一迅社
ジャンル:少年・推理ミステリ / 好み度:★★★☆☆