昭和12年というと第二次世界大戦ちょっと前、不穏な状況に進んでいく日本。そんな日本の陸軍に作られたスパイ養成所の面々の物語。最初に養成所を疎ましく思う軍人との攻防という外側からみたD機関をからめた話をもってきて、その後、機関の入所テスト、そして実際のスパイ活動というエピソードの運びは絶妙。
どのエピソードも、アクションは少な目で、情報戦・心理戦などが重視された本格的スパイもの。スパイ活動においてなにが重要かという話、いかに敵の裏をかくか、また最重要なのは生き延びることといった話が実に奥深いです。ある意味騙し合いミステリサスペンスな内容ですがそれだけでない幅広さを感じるタイトル。
絵もすっきりして読みやすくお勧めです。
原作:柳広司 / 作画:霜月かよ子
ビッグコミックス全3巻 / 小学館
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★★★おすすめ