ひねもすハトちゃん / とげぬきハトちゃん をAmazonで見る
いわゆる「イケてない」中学生・ハトちゃんを中心に彼女の友人やクラスメイト、先生による学校風景を描いた中学生日記。
主人公のハトちゃんは、地味で口数が少なく運動は苦手で大多数にに理解されにくい価値観を持つという、イケてないとかどんくさいと評されるタイプ。そんな主人公を中心に時にせちがらく時に温かく、ふつーな中学生のふつーな日常の中のリアルな思春期の少年少女の心情。
自分の前世を想像して語るなどいわゆる中二病的な妄想をしてみたり、独特の価値観で手袋を買ってみたり、クラスメートの女子人気投票のエピソードや学校行事の風景、一人称にこだわる男子生徒とか独善的なクラスメイトとか勘違い野郎な男性教諭の話とか。あるある系な中学校内の風景がするりと描かれています。
私自身イケてない人間だったのでなんか共感できる部分がけっこうありました。前世云々はなかったですが。
ハトちゃんには、彼女と波長があうゆっくりとしたテンポの女の子と転校生の女の子という友人がおり、彼女たちの会話にはほっこりします。こういう友人がいるということは僥倖なんだろうなあ。
インパクトがあったのは、生徒を下の名前で呼び自分は好かれていると勘違いしている男性教諭。自覚無きひいきもハマりすぎてかえって笑えました。
続編として2013年に「とげぬきハトちゃん」も発表されました。こちらの1巻目と同じかんじ。あー・・あるなあと感じる話を淡々としたノリで描いてるのが秀逸。印象的だったのはイラストを描くハトちゃんでした。
久世番子
ひねもすハトちゃん / とげぬきハトちゃん
ウィングスコミックスデラックス各全1巻 / 新書館
ジャンル:少女・学園 / 好み度:★★★★☆