兼次おじさまシリーズ 本橋馨子

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真性のゲイである兼次は女性好きの従兄弟の太郎ちゃん一筋だが。超耽美系同性純愛物語。
その昔花とゆめで連載されていたゲイ漫画。BLという言葉がない時代の話なんでBLと分類していいのやら。BLというよりジュネに近いブンガク的な香りですがBLっぽいコミカルな面も多分にあるタイトル。
シリーズのはじめは兼次の想い人・太郎は若くして死亡しており、忘れ形見の息子にアプローチをするというコミカルな話。まあ息子には隙あらば深い仲になってもいいかな、くらいで基本は父性愛のほうが強いみたい。
後に発表される兼次と太郎の青春時代から青年時代の話がメインといえばメイン。過去の出来事からゲイをこの上なく憎み、家庭境遇から早く自分の家庭を持つことを望み多くの女性と関係を持つ太郎、太郎がゲイを憎んでいることを知っているために想いを告げられない兼次の恋物語といったところか。
2人の世界って感じじゃなく様々な人間がからんで物語が作られるかなり読ませる内容です。
宝塚のメイクばりのまつげびしばしこれ以上にないほどの耽美で濃いキャラ絵が特徴の絵柄。正直、この手の絵柄は苦手中の苦手だったのですが、私にとって漫画は絵柄じゃないんだと思わせる最初のタイトルでした。
シリアスはナルがはいりまくったというか酔ってるというか舞台芝居のような描写、コメディもくすりと笑える絶妙さ。そして女性好みの純愛といたせりつくせりでした。
個人的に兼次に頭を悩ませる豪気なお母さんが好きでした。こういう女性好きだなー(笑)
文庫化でところどころ絵の修正が入っていましたがまったく絵柄が違うので返って違和感が。まったく直さないほうがよかったんでは・・・。

本橋馨子
幻想薔薇都市全1巻 / ストロベリーデカタン全3巻 / ソノラマ文庫/朝日ソノラマ
ジャンル:少女・ゲイ(BL) / 好み度:★★★★☆