舞台は昭和初期の花街。客を持ち上げないトラブルメーカーな幇間の青年と彼の面倒を見る若旦那を中心とした話。基本的に花街で発生する事件を2人が解決するというミステリ展開。
若旦那は、ある弱みを握られているためしぶしぶ幇間の青年の世話をする世間知らずというかお坊ちゃまな人物、幇間の青年はトラブルメーカーながら知識は豊富であり頭が切れる人物、という設定。
実質事件を解決するのは幇間の青年ですが目立ちたくないということで、表向きは若旦那が事件を解決したということになるという、えーとコナンと小五郎に近いかんじ?正反対の気質の2人のやりとりやバディぷりは小粋で面白いテンションだなあ。
花街という特殊な世界でしか見られないエピソードやからくり、知識などがうまく組み込んである印象を受けます。かなり専門的な話も出ますが、若旦那が物知らず(というか花街の知識に疎い?)という設定ゆえ、読者にも噛み砕いて伝わる仕様。
ミステリですがどろどろしておらず、レトロでスタイリッシュな雰囲気を内包したタイトル。普通のミステリを堪能した人にお勧めかもしれませぬ。
作:上季一郎 / 画:青木朋
ビッグコミックス全3巻 / 小学館
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★★☆
幇間の字が読めなかった私;