ブレーメン5 佐々木淳子


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すべてコンピューターに管理された地球の都市で、実験体として隔離された生活を送っていたユズ、白黒黄色人種のキメラ・タウロ、 黒ヒョウと人のキメラのヒュウ、大型宇宙船の頭脳を担う女性・ナダ、過去の記憶を失いただ労働に従事していたサイボーグのCA38の5人がそれまで置かれていた状況から脱出し一緒に安住の地を求めて宇宙を旅するという物語。
うーんとうなるようなSF設定とストーリー構成。スケールの大きい展開ですが、少女漫画らしい恋愛を含めたキャラの心情描写もちゃんと描かれていますし、エピソードの根底にある生命体の心が感じられました。でもやっぱりこれを少女漫画雑誌に載せるというのはすごいかなあと。連載途中かなりのインターバルがあり、前半と後半でかなり絵柄が違ってましたが物語はきちんと完結しています。しめくくりのエピソードは彼らが宇宙の旅に出るきっかけのエピソードがらみだったのはうまいと思いました。
個人的には、疑問を解決するために、自分の体を興味の対象の姿にかたどる岩のような組織構造を持つ知的生命体ヴィーマーの話が一番好きでした。科学者が疑問にぶつかると実験とか試行錯誤とか調査で解決するところを自分の体でやっちゃうってのがかなりツボだったようです。

佐々木淳子
MF文庫全3巻/メディアファクトリー
ジャンル:少女・SF /好み度:★★★★★