イラストレーター・漫画家の著者が20代、上京したころの生活を描いたエッセイ漫画。
地元で会社勤めをして貯めた70万を元手に上京、イラストレーターを目指す著者。しかし住処を決めた時点ですでに貯金がつきてしまう。バイトを探すもすぐには見つからなかったり、生活に追われて肝心の絵を描く時間がとれなかったり、知りあいがいないためさびしい思いをしたりと、現実の厳しさを痛感する。
不安でへこんだりちょっとしたことで喜んだり、生活のためのバイトをやってみたり出版社にもちこんでみたり、絵を描くほかの人と刺激しあったり、と悲喜こもごもな暮らしが綴られていきます。はじめのほうは夢を追って都会に出た人の典型的なパターンというべきなのか。
著者がそんな状態から脱したきっかけが、立ち上げたWEBサイトというあたり時代を感じます。当時はこのパターンで芽が出た人多そうな。
著者の絵って読んでいるとα波が出そうなほんわか和み系で実に好み。
たかぎなおこ / 文藝春秋全2巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆