高校生弥美の前に現れた青年シーン。彼は人の生気を糧に生きる不老不死の一族の長だった。不老不死の一族は人間との間に子供を作り、子供の体に生まれなおして永遠の命を続けているが、シーンは弥美の双子の片割れとして再生したため不完全体であった。完全体に戻るためかつては弥美を殺そうとしたシーンだが弥美に愛しさが沸き、一族の女性の刺客から彼を守ろうとするが・・。
一族にとって脅威となる能力を持つ弥美をめぐって一族の男側と女側で争っているというのが大まかな流れでしょうか。一族の変革を望む側と維持を望む側との戦いというべきか。こう書くとアクション重視っぽいですが、テーマはあくまでも愛ですかね。シーンと佳代子(弥美の母親)の恋愛とか、シーン弥美の家族愛だか同性愛だか微妙な愛とか、師弟愛とか博愛とか愛憎とか。その割りに心理描写がうわすべりっぽいんですが。ラストは大急ぎで終わらせた印象が強く残念。個人的にはラーイとハルシャのコンビが好きでした。
椎隆子
あすかコミックス全5巻/角川書店
ジャンル:少女・ダークファンタジー/好み度:★★★★☆