市役所に勤めるメガネの生真面目青年・信は趣味で周囲に内緒で少女漫画を描いている。信は、偶然であった女子高生・くれはに成り行きで自分の原稿を見せると、その内容に感動したくれはは信を出版社に強引に連れて行く。しかし出版社では、漫画の著者はくれはと勘違いされ・・・。
少女漫画を描いているのが男の自分という事実やもろもろが恥ずかしいだのなんだのと乗り気でない信を強引に引っ張っていくくれは、という構図。まあ二人三脚みたいな状態か。
信のオトメンぶりが可愛らしい。著者の男性キャラは多かれ少なかれコンプレックスを持つキャラが多いですがそれを受け止めよりよい方向へ持っていく女性キャラとの出会いで一皮向ける。殻に入った才能が人の出会いによって開花するって展開が良いなあ。
漫画デビューの話や主人公２人の恋愛展開の話のみならず、信が少女漫画を描くようになった経緯などの人生ドラマ、担当の女性の恋愛心情やくれはの弟をはじめとした家族各々の話などのエピソードが展開されています。主人公以外の脇キャラの話も組み込み、各々のエピソードもけっこう突っ込んだ展開にも関わらず話がとっちらかず、するりと読める構成はさすがというしか。
１巻完結ですが容量以上に読み応えと感動をくれるタイトル。
西炯子
フラワーコミックスα全１巻 / 小学館
ジャンル：少女漫画・恋愛・ドラマ / 好み度：★★★★★