３０代独身女性である著者と同年代の友人たちの実情をゆるく描いたエッセイ。
題名にもある毒女とは、３０代で結婚できていないという現状に対する焦りや肩身の狭さから幸福を手に入れようと奔走するも逆に自身を蝕む毒を得ている状態の女性を総称する造語らしい。ネットで見かける独女から掛けているのか。
努力の方向性がずれてくるのも毒女の特徴らしい。ものすごく身につまされる著者の焦りの描写からはじまり、周囲の面々の自身が幸福とみなす考えや行動がつらつらと、著者と友人たちのおしゃべりの話題として描かれています。パートナーを見つけるため努力したり、男性に興味がなく趣味の世界に没頭したり、ペットに愛情をそそいだり、終の住処を購入したり、田舎暮らしをしたり、３０代デビューした人もいたり。
著者の描き方のせいか私自身の偏見なのか、当人が選択した道に満足しきってるのか疑問に思うのが多い・・なぜだ・・。パートナーを探す面々は自分が欲する条件ばかりに貪欲で自分を変えずに欲しいものを得たいというかんじだし。
他の独身女性エッセイに比べてどうにも読後感が悪いのは、毒女というテーマがある以上後ろ向きで中途半端な印象を強くせざるを得ないからか。
咲ヨネ子 / PHP研究所全１巻
ジャンル：エッセイ / 好み度：★★☆☆☆