マリオネット師 小山田いく


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天才的なスリの腕を持つ少年・通称九頭竜こと九頭見灯を主人公にしたサスペンスアクション。
裕福だが愛情に乏しい家庭環境からスリになった主人公が刑事の紹介で人形劇団泡雲の団員と知り合い徐々に心を開いていくところから物語は始まる一話完結形式の物語です。主人公を含めた登場人物のほとんどが過去に傷を持ち、それでも懸命に生きていく様、また都会で暮らす人間に生じる軋轢や、優しさ・脆さといった感情がリアルに表現されています。 不幸や災難は予告なくやってくるということを体現しているような主要人物の死亡率の高さでかなりハードな内容。たとえ大事な人間がいなくなっても残された人間は生きている以上生活していかねばならないことをひしと感じます。なんだか救い様のない話ばかりと感じるかもしれませんがそんなことはありませんので;
アクションシーンが派手で、特に主人公がマリオネットを巧みに操る描写は見ごたえがあります(ちょっとオーバーなところもありますが)。しかし殴るシーンの描写はかなり痛そう...。

小山田いく
少年チャンピオンコミックス/全11巻/秋田書店
ジャンル:少年・ドラマ・アクション / 好み度:★★★★★