その孤立した島にいるのは6人の記憶を失った少女たち。彼女たちはナンバーが振られ、数字をもじった愛称で呼び合っている。定期的に生活の報告書が送られ定期的に支援物資および少女たちの希望の品(ただし検閲アリ)が送られて日々の生活には支障がない。そして同時に各々にパズルの箱が与えられ、そのパズルを解くと島から出られるという。
そんな中で一人ナンバー6の名を与えられた少女はこの状況に異論を唱えあの手この手で島からの脱出を試みるも挫折を繰り返していた。ナンバー6がかたくなに行動し続けるのは、「せんぱい」にまつわる記憶のかけらのようなヴィジョンをしきりと見ているからだった。
箱庭の環境下、ある種の実験場を連想させる舞台設定、島にいる少女たちの各々の行動や役どころ、島の謎といったミステリゲームな内容が満載。普段の生活はとりあえず窮することがなく命の危険が少ないような環境なのである程度安心して読み進められます。まったりとはしていますがミステリ部分の解明はゆっくりで話がどう転ぶのかが見逃せない構成。
キャラクターの魅力とミステリ部分の小出しでうまく読者をひきつけてるなあと感じたり。しかし記憶がない人間が現状にあせるってのはリアリティがあるのかないのか。まあいまのところ主人公の6はなんども頭の中で繰り返す情景があるという設定なので外に出ようとする意義は見出せるのですが。
内容はぜんぜん違うけど灰羽同盟を思い起こさせるタイトル。
原作:金月龍之介 / 作画:KOJINO
サンデーGXコミックス全4巻 / 小学館
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★☆☆