人を襲う人形(ギニョール)となる奇病が蔓延する世界。特異な賛美歌を繰る裏の宮廷楽団の旅の物語。
物語の鍵となる奇病は、感染すると必ず死亡するだけでなく人の血を求める人形になってしまう。しかもゾンビとか吸血鬼のように血によって感染するので食われた人間もまた感染者になる。唯一の手立ては殺すことだけで、感染者は楽団の奏でる曲に弱いということで犠牲者が出た町には宮廷楽団が呼ばれるという社会構成。
主人公たちの楽団もその1つではあるが母体組織と反目しており正規の楽団にない能力があるという設定。依頼されればその町に出向くというのは表も裏も同じ行動を取っています。
世界設定の説明を兼ねた事件と楽団の新規メンバー加入の話からはじまり、楽団の旅の模様と母体組織との確執を兼ねたドラマが展開。旅ものなので寄った街でのエピソードという枠で、ある程度の区切りがあり、かつ本筋を継続していくという読みやすい構成となっています。
主人公は相変わらず気持ちのよいくらいマイウェイなタイプ、1話目で仲間になった子供が驚き役・・もとい読者視点を代弁する役を担っています。謎と因縁、怒涛の展開。
由貴香織里
花とゆめコミックス全5巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ゴシックファンタジー / 好み度:★★★☆☆