資産家の次男坊で放蕩三昧な青年晴之は5つ下の書生に一目ぼれをする。それから口説き続けやっと両思いになり体の関係へ持ち込もうとした際、書生は抱かれることを拒否、次男坊を抱きたいと告げる。
下克上というジャンルらしい。書生や資産家の坊ということで舞台はちょっとレトロな時代。
相愛なのに譲れないものがあるゆえの葛藤が見所か。はじめて見るパターンでしたがまあリアリティがあるっちゃあるなあと。独特のBL世界観をとっぱらえば、ネコ気質でない一般男性なら普通は雄側に行きたいのは自然な話で。
一途で純朴な書生の真剣な求めにボンボンの次男坊は徐々にほだされていくというかんじ。どちらがどちら側になるのかという攻防とその過程の心理描写が興味深かったです。
単にBL恋愛模様だけでなく各々の将来の展望とか心情の変化という人間描写もしっかり描かれているところも特徴。
巻末収録の短編・幸せの余韻は田舎の高校生2人のお話。こういうのをラブラブっていうんだろうなという。ちょいせつなくてツボにはまりましたよ。
宮越和草
ダイヤモンドコミックス全1巻 / 松文社
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★☆