地球を監視、地球人の動向を調査する調査員である惑星エデンの天使・影艶とちはやの物語。
独特の世界観とキャラクター設定がツボ。この作品における天使は神格化した存在ではなく、宇宙人、つまり別の星の「人間」です。泣いたり笑ったり、嫉妬したり、悩んだりするのです。地球の未来や環境問題が作者なりの視点で描かれています。そして影艶とちはやの互いの感情の変移が物語の核になっています。ちなみにどちらも男性なので嫌いな人にはだめな展開ですが、ボーイズラブ作品のようにそればっかりでもないです。
はじめの方は主人公2人の地球で起こった出来事を綴ったものですが、後半は、かなりスケールが大きくなっていきます。惑星エデンと地球のからくりの設定はよくできているなあと思いましたが展開が設定に追いついていないという印象を受けたのが残念なところ。惑星エデンの抱える、出生率の低下と未知のウイルスの問題は現実にも問題になっているんですよね。
高河ゆん
アーシアン完全版/創美社コミックス文庫全5巻 / 集英社(創美社)
ジャンル:SF・ファンタジー・ドラマ/ 好み度:★★★★★
それにしても完結版でも番外編SDアーシアンが収録されていなかったなあ...。一応ウイングスで発表(同人誌に否)されたんですが。数ページの設定の違うパロディだからでしょうか。