商店街で向かい合う飯屋の娘とおでん屋の息子は恋仲。しかしおでん屋のママさんと飯屋の主人とは犬猿の仲。親同士の仲が悪いため自分たちの仲を言いだせない2人。そんな中飯屋の娘に縁談が舞い込む。下町商店街を舞台にした恋人情&料理物語。
題名通りおでん屋の息子が主人公ですが、おでんに特化したグルメものというよりも下町商店街を舞台にしたメロドラマの要素が色濃い内容でした。おでんグルメな話もあるにはあるのですが・・。
美人と評判の母とおでんの店を切り盛りする主人公は、向かいの飯屋の娘と恋仲なのだが、自分の母親と相手の父親が何故か険悪な仲なので自分たちのことを公にできずにいた。帯にあるとおりロミオとジュリエットのようなはじまり。
とはいえやはり悲恋ものというより情が絡み合った話という印象が強いですね。親同士が犬猿の仲ないきさつも早いうちから明確になるし、不倫な展開が出てきたり飯屋の娘に縁談がまとまったりと徐々に濃い話に。もったいぶった展開が少なくとんとんと話が進みます。人間描写がくどくなくそれでいてけっこうねちこいリアルさも出ているのが特徴。いろんな意味で大人の関係描写が生々しいというかそこが面白いというか。まーさーに昼ドラという感じで。
主人公がこのテの話にしては気質が割りと男前な気がするなあ。反して飯屋のおやじさんはサイテーだと思う(笑)。過去のことより主人公に的外れな難癖をつぶやくとこがね。主人公の対応のほうがよっぽど大人のような。
それにしても以降もグルメ的要素も挟んでいくんだろうか。だとしたらグルメシーンはつけたしとしか感じなくなっちゃうような。
中西やすひろ
ヤングキングコミックス1巻 / 少年画報社
ジャンル:青年・恋愛ドラマ / 好み度:★★★☆☆