人斬りは未経験、飢えたからと畑から野菜を拝借して追われるといったうだつのあがらない渡世人の青年は、ひょんなことから謎に満ちた凄腕の女渡世人・宵闇のお紺と出会う。当人も仲間もいわゆるへタレというか雑魚レベルの渡世人が、お紺と彼女の首に出された懸賞金目当ての賞金稼ぎとの戦いに巻き込まれその圧倒的な殺陣に感化されお紺を師としてついていくという話からはじまります。お紺さんとにかく強い。殺陣がいい感じに泥臭くて懐かしい。
お紺が旅をする理由はある人物(たち)を探しある言葉を伝え復讐を行うこと。語り手である主格の青年とシンクロする部分があり、またそのターゲットが同じという展開からその結末までで1巻目が終了。
主格の青年が狂言回しとなる構成かと思いきや、漫画的ご都合主義と真逆、ある意味リアリティのある流れ。物語における彼の役目はお紺の目的の描写をドラマチックに演出するための布石だった模様。主人公はあくまでお紺であり題名がそのまま彼女の目的であることが明確になります。こういう感じで主人公が出会う脇キャラに役割を持たせていくのかな。
鈴木マサカズ
ヤンマガKC全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・時代活劇 / 好み度:★★★☆☆