あくまでモテる××× 津々巳あや

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主人公は草食系男子。二次キャラが好きだが三次元の女の子が嫌いというわけではなく、ある意味恋愛の理想が高すぎる故に、好意を持った女の子に告白する前に失恋という名の諦めを選んでしまうタイプ。要するに自分だけを愛してくれる、つまり相手が自分に告白しベタ惚れであることを待ち望んでいるわけですが、それは一度も叶わず。母親から16歳になればよいことがあると渡されたペンダントがあるがなにも起こらずといった状態。
そんな中、美少女の悪魔が来訪。彼女はサタンの命を受け、覚醒前のハーフインキュバスである主人公を抹殺しにきたという。悪魔に命を狙われ、ひょんなことからフラれた女性たちの本音を聞いたことからブチ切れた主人公はハーフインキュバスとして覚醒し女性を魅了する力を得る展開に。
とはいえ覚醒は不完全で主人公の気持ちが満たされたら元に戻る状態に、キレたら悪魔化しという設定のドタバタコメディになっていきます。
基本はドタバタですが、悪魔側の刺客たちの各々思うところや、主人公の悪魔としての覚醒の動向、主人公にとって完璧な理想の幼馴染のヒロインや憎からず思っている女の子との話が物語のメインになっていく模様。
幼馴染の女の子は、主人公にとっては理想であるけれど高嶺の花すぎて最初からあきらめているものの実は脈アリなんですがというすれ違い設定とか、主人公の悪魔の能力が何故か効かない設定とか。山田太郎的貧乏だけど周囲にセレブと勘違いされている設定とか、なんというかツボ押されまくりなキャラで。おなかいっぱいです(笑)あと主人公の頑なというか思い込みが激しいというか、なモノローグも印象的でした。
キャラに好感が持ててその動かし方が、読んでいて面白いと感じた一番の理由ですが、設定や要素はありがちながらそれらをうまく組み合わせ、かつ各々の要素が喧嘩にならないよう順序だてて展開させている構成も秀逸。

津々巳あや
CRコミックス2巻 / ジャイブ
ジャンル:少年・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆