ラブリージーン 野口ともこ

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元彼が置いていった血のつながらない息子の母親であり、母親からの遺伝性の病を抱えた保育士の女性の物語。
主人公はとある保育園の住み込み保育士。過去お水関係で働いていた際に付き合っていた男性が自分の息子を主人公に預け行方不明。以後血のつながらない息子を育てつつ保育士として働く。また主人公は母親から遺伝病を受けついでいる可能性があり長く生きられないゆえに息子の将来にいろいろ気をもむ。そして親しくしている小児科の先生との恋愛が主な内容かな。
この物語の大半は、発病はしていないものの先天性の病を抱える主人公の、恋愛とか未来の設計に関する心情描写。
それなりに大人の女性の恋愛や生活の描写がテーマですが、劇的と真逆の茫洋というか穏やかな雰囲気で描かれたお話。それゆえに妙なリアル感を共有できる話かと。まあ主人公の置かれた状況はけっこう普通じゃないですが、基本的に悪い人がいないというか人間関係でいがみ合いってのが少なくなんのかんのと概ね良好だからだろうな。むろんネックとなる人物はいるもののその人物はある意味主題の1つに不可欠な人物であるし、メインキャラ同士による衝突もあるのですが。
状況から見るとていよく押し付けられた感が強い息子とのさりげない関係が印象的でした。検査していないので陽性か否かがわからなかった状態と、検査してその結果を知った状態での主人公の心情の対比も。大幅に変わらないのに換わっているというところがね。なんかうまく言えなくてもどかしいのですが。

野口ともこ
フィールコミックス全1巻 / 祥伝社
ジャンル:女性 / 好み度:★★★☆☆