異世界の鎧のような乗り物・戦機を巡り、異世界と現代世界を行き来するダークヒーローファンタジー。
現代日本。正体不明の二足歩行のロボット?による世直しともとれる事件が多発していた。常に本を読みふけ周囲からも浮いた存在の男子高生・優は、ある事件からそのロボットを操縦するのが幼馴染で自分に対抗心を持つ尾張だと知る。コクピットから強引に尾張を引き剥がし搭乗すると異変が起こり彼は尾張とともに異世界に入る。
そのとたんにその異界の軍勢に囲まれる中、優は機体のスペックや機体が取り巻く状況を理解する。
異世界と現代世界を巡るパラレルファンタジー。半ば巻き込まれた状況ながら主人公は肝が据わっているというかその状況を理解し逆に自分の思うまま使おうと考える。
異世界側の状況としては件の戦機は異世界では重要なファクターであり主人公を襲った軍勢は無傷で自分の懐に得たい、またその軍勢と反乱軍との戦いが起こっており反乱軍側もその戦機が欲しいというかんじ。あと主人公は異世界に移動しっぱなしではなく現代世界と行き来する設定で、尾張の彼女が現代世界での物語の重要な役割を担っていく模様。個人的には、優への対抗心が半端なく負け犬属性っぽいけどしぶとそうなキャラ・尾張の動きや何も知らない優の幼馴染の少女・千春の物語的役割が気になるところ。
主人公をはじめ登場人物のほとんどが、向かうベクトルや器の大きさの違いはあれど野望を持つ腹黒いタイプとか肝がすわったタイプなのが特徴か。帯にダークヒーローファンタジーとあるように正義や情で動いていないというかんじ。といってもそれだけでなくキャラの配置の幅は大きいですが。
一筋縄ではいかない組み立てで続きが読みたくなるタイトル。主人公の野望の内容如何によって面白味が増しそうという印象。ていうかこれアニメ映画向きの話だなあ。いろいろと。
原作:山口宏 / 作画:イセダイチケン
電撃コミックス全2巻 / アスキーメディアワークス
ジャンル:少年・ダークファンタジー/ 好み度:★★★☆☆