たおれて尊し! 尾玉なみえ

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門下生すすむと当主絶之進のみの流派。当主は有名な気絶癖のためか仕官の道になかなか進めない。そんな彼らを中心とし個性豊かな面々が織り成す時代劇剣士ギャグストーリー。
主人公はとある流派の門下生の少年すすむくんとその当主の青年絶之進。なにかあるとすぐ気絶してしまう不器用で小心というか純粋すぎるというかな当主の仕官への道を助けようと奮戦するすすむ、というはじまり。
なんとなく1エピソード完結形式で1話ごとに新しいキャラを登場させたり増やしたりしつつ話が進むという構成。
ギャグものなのでどの登場人物もいろんな意味で個性が強く実際にいたらめんどくさそうなキャラばかり。
キャラの設定が無駄なく作られてうまく作品内に配置されているなあという印象。大まかに、ちゃっかり要領が良かったり人の話を聞かない我道だったりなタイプのキャラと、不器用だったり純朴だったりうまいことやろうとしてできないタイプとに分かれ、前者が後者を食う展開。
とはいえキャラ設定も展開もワンパターンではなく微妙に変えているところがミソな気がします。ストーリー構成もうまく、最後で物語を〆るナレーションは絶妙。
端々に現代社会の風刺ネタとか江戸時代にありえない(というか現代でもありえない)丸文字による通達文書とか細かいところでうまいなと感じることしばし。つぶらな瞳が特徴の作画も印象的。
ギャグセンスは高いと思うし面白いと思うのですが、なんだろうこのもやっと感は。自分がヘタレだから割を食う側のキャラに感情移入しちゃうからだろうか。
主人公の師範の厳しい状況にめげずがんばる姿勢とお人よしさと努力のベクトルのズレは昭和のサラリーマンギャグを思い出すかも。

尾玉なみえ
goodアフタヌーンKC全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・ギャグ / 好み度:★★★☆☆