12 やまがたさとみ

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発達途中の身体と成熟した志向を併せ持つ時期の6人の少女たちの物語。
いわゆる「少女」と呼ばれる彼女たちの視点から描かれる様々な心のうちを描いたオムニパス作品集。各話のタイトルは数字ですが、それは主人公の年齢を指しています。
現在の肉体の状況を失格と表現する少女は面識のない青年に請われ駅構内を共に歩く最初の話をはじめ、転校を繰り返す少女と彼女に思いを告げるピアノ教師、学童保育の帰りにいる優しいホームレスのおじさんとの交流と結末、整骨院の非常勤医師に対する複雑な思いと周囲との軋轢、若い伯父との接触に希望を見出す少女、確実に変化する自分を恐れる少女と老人のチャットごしの会話。
主人公のモノローグには危ういものがあるものの互いに救いのようなものが感じられたり、ゆらゆらとした心情描写と思い切るなにかに到るといろいろ様々。どの話の結末も生きていくうえで得る鈍い痛みの昇華のようなものが感じられたり。どの話も少女側の静謐で彼女たちの自分なりの思考で綴られた言葉が印象的でした。二次性徴直前後の少女の哲学というか。あーほんtpに作品尾空気をうまく伝えられなくてもどかしいよう;
ホームレスのおじさんの話は社会的にリアルな話だったかも。主人公の親が主人公に語る言葉は、頭ごなしの否定ではなく、客観的には理不尽である現実をきちんと諭しているところがいいな。

やまがたさとみ
Feelコミックス全1巻 / 祥伝社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★★☆