主人公は男子高校生。中学時代ハマッたSF小説の影響で不用意な発言をしたために疎外され、高校でも友達が作れない主人公は、高校入学から度々時間が止まった世界を体験していた。3度目のそれが起こった時止まった世界でも自分と同じく動ける少女・九音と出会う。そしていきなり異形の「敵」が彼らに襲い掛かってきて、久音はSFアニメに出てきそうな武器や量子結晶時計を取り出し主人公に戦えと言うが・・という始まり。
静止した世界を舞台にしたSFのような学園戦闘活劇、といったところか。背景や主人公たちが置かれた状況はなかなかシリアスだし絵柄もSFファンタジー活劇によくあう絵柄なのに、当人たちのノリはいたってライトで軽快、というかほとんどギャグ。コメディじゃなくてギャグ。下手にシリアス一辺倒な雰囲気よりも楽しめるし、真面目な展開ではきっちりシリアスとして読ませるバランス。戦闘描写も敵のデザインも中々秀逸で読み応えがあります。
あと展開が速い!主人公、常軌を逸した状況にとっとと馴染んでしまうあたり、こういうの久々に見たなと(笑)仲間となる面々もどこか壊れた部分があるキャラたちでいい味出してます。
まあリアルを満喫しきれていない時間を持て余している人間が集まっているわけですが。常軌を逸した行動も嫌味なしに笑えるんですよね。特にリコさんのエピソードはいろんな意味で破壊力がありました。ヤンデレというのか思い込み激しいストーカーつーか。舞台設定といいキャラ設定といいイマドキの残念な青少年の特徴とされる要素を組み込んでるなあ。
ラノベや漫画でありがちな展開とかやりとりもこういう味付けだと楽しめるもんだなとしみじみ。
青木ハヤト
角川コミックスエース全7巻 / 角川書店
ジャンル:青年・アクション / 好み度:★★★★☆