笹王パンダの元、動物たちが平和に暮らす国・アッパーヤード。しかし絶大なカリスマを持つ王といえど寿命には勝てず崩御、３０年余に及ぶ平和なときは終わり代理として王になったレッサーパンダ側とそれを良しとしない側、国が東西に分かれ諍いが始まる。
アッパーヤードは和訳すると上野、つまりパンダがやってきたことで有名な動物園が元ネタで登場人物も動物擬人化キャラ。まあまんま人型のキャラもいれば獣人型、動物デフォルメ型とそのキャラデザは臨機応変。
動物擬人化ですが、単なる日常垂れ流し系ではなく、カリスマ王崩御に伴う混乱と諍いというちとシリアスな背景がありそれを基軸としたストーリーが展開されています。
つっても作品全体に漂うのは、習性に抗えないことによるズレなどをネタにしたボケツッコミコント型コメディ。シリアスや友情もの展開が話の主軸ではあるのでしょうが、ノリが良いというか脱力してしまう笑えるやり取りをはさんでいる構成というか。血気盛んなキャラがシリアスに続けようとしてものほほんキャラの合いの手が多すぎて持続しないパターンとかね。
対立する間柄でも同じ国の者という概念があるからか、いい意味でゆるく読み終わってみればみんな仲が良いじゃないかという雰囲気。コメディとシリアスの切り替えが巧みで面白いと感じたタイトル。
１巻巻末には短編・裸マフラーも収録。こちらもばかばかしくて笑えます。
もち
KC×ARIA全２巻 / 講談社
ジャンル：少女・コメディ / 好み度：★★★☆☆