何事にも消極的な性格で周囲からも浮いていた少女は入水自殺を図るものの、音楽を趣味とする少年に助けられたことをきっかけに歌の才能を見出され世界が開けていく。音楽と青春の成長物語。
消極的というか後ろ向きな性格ゆえ居場所が見つからない少女いづみは、橋から入水自殺を試みるものの、たまたま見かけた少年に助けられる。助けた少年は病気で2年休学していた年上の同級生。彼がいづみの歌唱力を見出し共にバンドをやらないかと誘うことからいづみの世界が開けていきます。
音楽関係の展開はそれなりにとんとん拍子のようではありつつも、いづみの家庭環境や少年を慕う同級生の女子からさらにいじめにあったりと人間関係のほうはすぐに改善されず問題は山積といった状況で。
音楽活動自体は今時だけど人間関係描写は一昔前のような印象。
少年は恵まれた家庭環境ゆえか生来の気質かいづみにとってはちょいデリカシーがなさげなシーンもあるなあ。まあ理不尽なことはきっちり怒るのでいろんな意味でまっすぐなキャラということか。いづみのぐるぐる考える描写に共感。個々のキャラ描写はリアリティがあるというか血が通っているような気がする。
青年向けのちょいエロ的なエピソードというかシーンもあるけど、人間関係の構築などを含めた成長過程と人と人の出会いや繋がりによって人間は変わるということが主軸なんだろうな。とはいえほぼ打ち切りなのかなんなのか中途半端な〆だったように感じたのが残念。
表紙絵の変化っぷりが印象に残る。
林崎文博
ジェッツコミックス全3巻 / 白泉社
ジャンル:青年・青春ドラマ / 好み度:★★★☆☆