TIME KILLERS(タイムキラーズ)をAmazonで見る
兎と僕・赤茄子・赤い大地に生まれた戦士のはなし・USA BOY!!!・ひめごろも取説マンガ・人生街道はぐれ星・ニライ・主と某・乙女の祈り・ホシオタ・深山鶯邸事件を収録した短編集。
青の祓魔師の著者の短編集。ファンタジー系からシリアス・SF・ドラマ、寓話のような話までさまざま。新書のサイズなのに本文に使用された紙がなんか高そうで、フルカラー頁も多め、口絵ポスターもついているという豪華な装丁。以下印象に残った短編の簡単感想。
兎と僕は暗殺業を営む少年とクラスメイトの医者の息子の話。少年が仕事で負った傷を治したのは医者の息子で、その息子の親の殺害を少年が依頼されるが、という話。物語として一番秀逸だなと感じた話。
赤茄子も人間ドラマかな。兎などの獣人と人間が存在する世界の話。虐げるもの虐げられるもの、生きること。
主と某はつくも神になった茶碗が持ち主の願いを叶えるという話。御伽噺のような教訓とせつなさと。
ホシオタは天体オタクであることでいじめられた中学時代を鑑み高校では天体に関するものを断ち切っていた。そして過去の記憶があいまって星が大好きな同級生の少女を傷つけてしまう。そして主人公の前に小人サイズの宇宙人がやってきて地球を滅亡させるという。SFと思春期の少年少女のドラマ。うまくまとまっている話。
深山鶯邸事件は見るからに青の祓魔師のプロトタイプかと思ったら制作発表時期としてはこちらが後らしい。主人公が魔の系列の存在だけど下級で虐げられていたところに救われた少女を今度は助けるという話。
短編向けのまとめかたというのもあるんだろうけど個人的にこちらのほうが好きだったり。
加藤和恵
ジャンプコミックスSQ.全1巻 / 集英社
ジャンル:少年 / 好み度:★★★☆☆