プロチチ 逢坂みえこ

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育児休暇が明け職場復帰する妻の変わりに主夫として0歳の息子の世話と家事をすることになった夫・直。育児に追われながら自分を見つめなおし、今までにない使命感に目覚めていく。
題名から漠然と主夫の話であるのは予想がついていたのですが、新米主夫はともかくとして、主人公が発達障害の可能性が高いという設定だった。
主人公は学歴は高いが社会に適応しきれない出来事が多く、過去の出来事がフィードバックした際、発達障害のチェックをネットで調べてみると該当項目がほとんどだった。主夫となり、ゆっくり自分を見つめなおしてみてはじめて気づき、それを知ったことから前向きというか自分分析の描写も入るようになる。
確かに他の漫画でみたASの症例と似ている。理論的思考が長けているのできちんと説明すると納得して行うけれど、突発的な事象には対処しきれないとことか、悩むポイントとか。
育児風景を描きつつ、主人公が育児の際に思い出す、奥さんとの馴れ初めや社会人として働いていた過去の出来事、良いこと難儀だったことを並行して描写、そして社会では認められなかった自分が息子を育てる父として認められたような感覚を得、使命感に目覚めるというながれ。育児と主人公のAS症例の描写が柱か。
心情描写というか自分分析や夫婦のやりとりが、理路整然で過去のパニックになる描写すら客観的という印象が。ドラマというよりちょいレクチャーものに近い演出で個人的に読みやすくて好みだったり。
奥さんの根が明るく主人公にとっては良いパートナーであるところもほっとする要素。合う相手がパートナーであることは僥倖なんだよなあ。

逢坂みえこ
イブニングKC全4巻 / 講談社
ジャンル:青年・コメディドラマ / 好み度:★★★★☆