おいしい学び夜 大井昌和 / 北島和洋

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フリーの科学ライターの出雲は、悪友である料理雑誌の編集者・永島に調理師学校の体験入学に付き合わされる。しかし出雲は刃物恐怖症。案の定調理場で下手を売ってしまう。もともと乗り気でなかったゆえに悪友の入学への誘いも断ろうとしたものの、ある出来事から入学を決める。
主人公は、理系畑の人間でもともとライターではなく別の仕事を希望していたが刃物恐怖症ゆえに断念したという過去がある。ってそんな恐怖症を抱えて調理師学校に入って進めるのかと思ったけれど、やはり克服の進展は遅い印象。ただ科学的知識と思考の持ち主ゆえ、それ以外の調理はそれらを駆使してできるというエピソードはある。感覚や経験やセンスではなく理論でこなすというところは面白く、料理は科学という言葉にあてはまる。
悪友の雑誌編集者は、助平というか女性への興味が最大の関心事みたいなタイプで、強引に主人公をひっぱりまわすキャラ。正直若干イラっとくるタイプだがこれくらいのキャラがいないと話は回らないのだろう。
同時期に入学した美女たちや料理雑誌の編集長など、個性的な面々だがなにかしら料理というか調理師に関しての思いがある人物たちのドラマも語られる模様。
職業訓練校というべき、調理師免許を取るための調理師学校のシステムの紹介エピソードも興味深い。
夜間の専門学校という舞台を活かしての社会人たちのキャラ設定の突き抜け度合いと、人物のいい按配に砕けた動かし方に魅力を感じたタイトル。主人公の刃物恐怖症の要素をどう展開させるのかが個人的に気になるところ。

原作:北島和洋 / 漫画:大井昌和
モーニングKC全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・業界 / 好み度:★★★☆☆