昼はメイドとして働く少女は夜には美術品の輝きの源たる妖精を取り戻すため怪盗となる。
少女・アリスは元は美術商の家の娘だったが、母はすでに死亡、父親が突然目利きができなくなり1年前になり天涯孤独となる。残されたのは事務所兼倉庫の狭い住処と売れない美術品ばかり。そんな中、奥にしまいこまれた手鏡を発見し、そこから妖精と名乗る少女が現れる。美術品には妖精が存在しているという事実と、父が目利きできなくなったのは所有する美術品にはその妖精が引き離され抜け殻になってしまったゆえと知る。
どうも謎の美術商が父親の美術品から妖精を根こそぎ奪い妖精だけを売りさばいているようで、主人公が手鏡の妖精とともに怪盗として妖精を奪還するという流れ。
こういうきゃぴ(古語)としたキャラの話は話がとっちらかる印象を受ける場合が多いのですがこちらは筋道だってはいるので話に入りやすかったです。話の軌道が乗るまでは少々まどろっこしい気がしないでもないですが、キャラがよく動くので差し引かれているかんじ。
主人公は、美術品を変態ギリギリに愛し極端な性格の破天荒っぷりが目立ちますが、基本的に行動派で美術品に関しては信念がしっかりあります。題名にも使われている口癖というかキメの言葉を持たせてさらにキャラをたたせている模様。美術品の妖精たちとのやりとりも好感が持てる展開。
絵柄は可愛くメリハリのある線、ちょっとエロを匂わせる程度のコメディのノリが巧みで画面構成も整理されていて秀逸。
鈴見敦 / ストーリー監修:田中ロミオ
電撃コミックス全2巻 / アスキーメディアワークス
ジャンル:少年・ファンタジーアクション / 好み度:★★★☆☆