勇者が魔族を倒した後の世界。かつての勇者に浚われた姉を救うため少年は旅立つ。どんな願いも叶えられるという伝説の都市・天空の扉を巡る冒険ファンタジー。
王道的なRPG系ファンタジー活劇かと思ったら、予想を裏切る内容だった。いや基本はそうなんだろうけどドラクエ的RPG世界に現実世界の世知辛さを思いっきり加味したシリアスかついたたまれない展開だったというべきか。
勇者の仲間の一人が主人公の父。勇者は魔族の暗殺者に殺されたということになっているが実は人間側の策略というバックボーンがあり、かつて魔王を倒し祭り上げられた勇者が復讐とある目的のために主人公の姉をさらう。それまで使い道のないと思われた主人公の能力は戦闘に使えることもわかり魔王側と手を組み、勇者を追うという流れ。
RPG英雄活劇をリアルな視点で描くという某まおゆうを思い出すが、それをハードにシビアに展開させた内容という印象。いろんな意味で怒涛の展開が続くダークファンタジーといったほうがしっくり来る展開、つかみの設定はけっこう魅かれるものがあるがこの先をどう動かすかで変わってきそうなかんじ。絵は達者で空間描写が特に秀逸な印象。
KAKERU
ニチブンコミックスSH1~ / 日本文芸社
ジャンル:青年・ファンタジー活劇 / 好み度:★★★☆☆