腕はあるが自信が極端にないシェフとウェイトレスの2人できりもりするありふれた可もなく不可もなくなレストラン。客がこないと嘆く中、やってきたのは、死を間近に迎えた過去の偉人たち。
織田信長、マリー・アントワネットやジャンヌダルクなど古今東西の人物たちがそのレストランにやってきて生前もっとも食べたかった料理を出すことになるというところから、料理を絡めた偉人たちのドラマが描かれてるという構成。
レストランはごく普通の店でレストランの従業員もごく普通の人間で、過去の偉人がくるというファンタジーなコンセプトは従業員たちにはあずかり知らぬというところが他作品と違い話を面白くさせているような。従業員たちはあたふたしながらもせいいっぱいのおもてなしをするというあたりが、暗くなりがちな話を明るくさせている印象。
単なるグルメものではなく人の生き方についての奥の深さも感じられつつ作品全体は軽快な印象という絶妙なバランスがツボでした。
藤栄道彦
バンチコミックス1~ / 新潮社
ジャンル:青年・グルメ・歴史 / 好み度:★★★★☆