都市伝説にもなっている人に取り付く妖魔を人知れず狩る組織に所属する少年の話。
着物姿で日本刀を武器に戦うシーンからはじまるからてっきり時代物かと思ったら現代ものでした。人に憑くタイプの化け物が存在する世界で、主人公の少年が所属する組織が人知れず退治しているという内容。
化け物を倒すには憑かれた人間ごと切り捨てなければならないが、主人公は化け物と人間を分離できるという他の構成員にない力を持つという設定で、伏線にもなっています。
自分が持つ特殊能力は稀有であり貴重であるものの当人はいまひとつ真剣味がないのほほんさで、それに憤りを感じている構成員との衝突とか、表向き営まれているおにぎり屋での話とか、ライトなやりとりから退魔や仲間内に絡むドラマまで個人的にけっこう好みの話でした。が、著者が描きたい主題が著者のカラーと合致しきれなかったのかわりとあっさり終わってしまいました。ちょっともったいないというか残念というか。
組織のお世話役というか黒子な役どころの人外ぽいキャラたちが妙に好きでした。あとおにぎりが食べたくなります。ほんとに。
片桐美亜
あすかコミックスDX全1巻 / 角川書店
ジャンル:少女・ファンタジーアクション / 好み度:★★★☆☆