絵の知識も技術もほぼ0状態で美大を目指すがけっぷち男子高校生を主人公にした美術予備校ラブコメ。
幼少時から家族に絵がうまいと褒められて育ったゆえ勉強もせずに漫画ばかり描いていた主人公・歌川有。結果、偏差値の低い高校にしか入れず、漫画家を目指し持ち込みにいくも門前払い。要するに一般的に見ると主人公は絵が下手であり、家族に褒められていたのは客観的な意見ではなかったというわけ。いや家族はうまいと感じたのかもしれないが。
大学に行くには学力がなく漫画家になるには画力がない未来展望が皆無だったことに気がつくも、自力で努力して成功した祖父・父だけにヒネることもできず、がけっぷちにたたされる主人公が出した答えは美大に行くということ。そして入学した美術予備校でデッサンの授業中にパンを加えた女性と目があう。
美大を目指し予備校に通う主人公が、まったく絵関係の知識技術を持たないところからはじまる話。件の女子が主人公に絵の基礎を教えていく展開になっており、無骨に道を進む主人公の成長ものにラブコメ要素も加味されていく流れ。
芸術系は分野によっては変に知識を持ってはじめるより0からはじめたほうがいい場合もあり、こちらはそれを体現したものになるのかなとも。勝手な想像ですが。
主人公の設定や演出がいまどきでないというか古典な印象がなくもないですが、美術薀蓄はきっちりあるし思ったより読ませる内容でした。でもきっとラブコメ部分は読めないと思う・・好み的に。
山田玲司
ビッグコミックススピリッツ全8巻 / 小学館
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★☆☆
主人公の家族の設定はとっかかりのためのものでしかない設定だろうけどなんか印象に残るなあ。自分の理想を押し付けるのは論外だけどこちらは別の意味で性質が悪いかもしれない。