家族ごっこ・スノードロップコード・本棚の間のご主人様・フリルボーイ・同じクラスのタテノくんほかを収録したBL短編集。
著者初の短編集らしい。きっちりとした読みやすく綺麗な絵柄。
「家族ごっこ」亡き妻の連れ子×義父。妻が他界し彼女の連れ子の少年と暮らし始めて10年がたったクリスマスの夜、少年から青年に成長した息子に性的に好きだと告白される作家。今の状態を変えたくない、大事な存在を失いたくないという戸惑う義父に、まっすぐに想いを告げる息子。綺麗にまとまった印象の話。
「スノードロップコード」恋人がいても相手に執着しないドライなメガネリーマンは朝目覚めると同じベッドに見知らぬ青年が寝ていた。彼はリーマンに同居を提案されたという。気分転換に飲んだ先で酔った勢いで約束してしまったらしいが。青年×リーマン。この青年、絵に描いたようなツンデレ行動なんだけど真性ツンデレじゃないよね・・。なんでこんな行動させるのか謎。執着の薄いリーマンが青年に執着を見せ変わる過程が見所。
「本棚の間のご主人様」学生同士BLで図書館H。そっけない攻と愛情表現を惜しまない受。親友のような気さくなやり取りと恋人同士のやりとりがいい具合にハマッていたのが萌。
「フリルボーイ」女顔でいじめられる少年は成長してもあいかわらず冷やかされてたが以前と違い相手をきっちりノしていた。そんな中、幼少時いじめられていても助けなかったゆえに絶縁した元親友が転校してくる。親友は口は勇ましいけど体力が追いつかず結局主人公が助けることにという展開。主人公は、うざったいと思いつつも気が許せる相手であると認識してハッピーエンド・・なんだけど、どうにも消化不良でした。
「同じクラスのタテノくん」
表向きガリ勉メガネだが実はプレーボーイの男子とつっぱった(古語)純情不良少年の話。攻に狡猾に絡めとられていく受さんがなんともはや。本編よりおまけ的後日談の攻の最後の台詞が面白かった。
井上マサト
KARENコミックス全1巻 / 日本文芸社
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★☆☆